目。

ずっと、

 

男のふりをしていた女が

 

こちらを見ていた。

 

なにかを

 

身ごもっているのは

 

あきらかで、

 

女は

 

しずかに

 

白く輝いていた。

書 工藤亜紀


惑。

おかわいそうに。

 

別の女が近づいてきた。

 

すすり泣きながら

 

涙をさそい、

 

私の涙も

 

食いつくそう、

 

そういう魂胆だった。


叶。

大きな眼が

 

私をみていた。

 

なにもできない

 

カラの体に、

 

新しい、命がはいってくる。

 

願いは

 

いつも、

 

かなっているのだ。


枯。

血が枯れて

 

一滴もなくなると、

 

世界から色がぬけていった。

 

白か、黒か、それとも灰色か。


写。

その顔は

 

小さな声でいった。

 

「裏切り者」

 

すこしも休まずに言いつづけるので、

 

かわりに

 

呪文を唱えることにした。

 

「それは私だ」

 

書 工藤亜紀


赤。

死体が散らばっている。

 

音もなくころがった

 

破片を

 

生あたたかい空気がおおって

 

このときはまだ

 

赤いにおいがしていた。


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